要チェックです

2017年7月4日火曜日

ガラス彫刻に水が必要なワケ ~その2~

 前回 7月3日掲載 『ガラス彫刻に水が必要なワケ ~その1~』に引続き、今回は紙の水張りを行わなかった時、貼っていた紙が加工中に乾いてしまった時の危険性についてです。


 前回、写真↓を基に紙の水張りを行った時と行わなかった時の出来上がりの差を紹介しました。

それぞれ赤の矢印が付いている方が紙の水張り無し、緑の矢印が付いている方が紙の水張り有り
紙の水張り無し(赤矢印)で彫刻を行うと、彫刻痕(ガラス表面)の細かなひび割れの目が粗く不揃い
また、ザラザラささくれ立っているせいで全体的に白っぽさが薄く透明感があり、
写真の彫刻を行うとメリハリが無くボケた感じに

 その中で、高出力・低速度で紙の水張りを行わずに加工行った時、または加工中、貼っていた紙の水分が少なくなった箇所へ彫刻を行った時の加工出来上がり具合を紹介した記事がありましたが。
紙の水張りを行わず高出力・低速度で彫刻を行った結果、
彫刻痕がザラザラ、ガラスの表面が大きくささくれ立ち、
浮き上がった部分がボロボロ剥がれて(『で』の上半分、
『気』の横棒部分など)残念な状態に
高出力・低速度での彫刻を紙の水張り無しで行うと、上写真↑のような現象が起こる他、繰り返しまたは長時間行うと、最悪、ガラス自体が割れてしまうことも



  こちらの写真↑は4月27日掲載ガラスへの彫刻 色入れについて2~文字 彫刻編~』用の写真を用意するために行っていたテスト加工中のもの。
 
 約2mm厚の透明ガラス板 緑□内に、ペーパータオルと水を使用せず 解像度:1000dpi、power 100 Speed 10 PPI:1000 で連続2回の彫刻を行った時、2回目の加工中に突然、写真中央付近上寄り(赤○)からピシッという音とともに右端に向けて亀裂が入り、そのままレーザー機を停止させず彫刻を続行していると、その最中に今度は先程よりも少し小さめの音を立てて赤○から下方向に再び亀裂が入りました。
 左上から斜め右下に伸びている割れは加工終了後板を持ち上げた時に出来た割れですが、縦方向に亀裂が入った時に既に亀裂の周辺にヒビが入っていたようで、簡単に割れてしまいました。

 加工終了後すぐに割れた周辺に触れると、瞬時に手を引いたほど熱かったので、加工を行っていた部分周辺に熱が溜り過ぎての割れ、という事のようです。


 一方こちらは↓
破片1つ散ることなく、他にヒビ等も入らず、一瞬で真っ二つに割れました
6月14日掲載『ガラス瓶に彫刻&色入れする~父の日プレゼントにいかが?~』用に加工テストを行っていた時のもの。
※彫刻した文字が黄色っぽく見えますが、これは瓶の色とレーザー機のランプ(オレンジ光)によるものです。色入れ等は行っていません。
  
 720mlの酒瓶を中身は空、フタを閉めた状態で、彫刻台にタオルを敷いた上に置き、解像度:500dpi、power 100 Speed 4.0 PPI:1000で『元気で』の文字を連続2回彫刻。

 この時は半紙を水張りし十分に水を含ませた状態で1回目の彫刻を開始しましたが、この時点でレーザーを照射した部分の紙は無くなっているため、2回目の彫刻を開始した時にはレーザーを照射する部分には紙が無く、1回目の彫刻で残った部分(レーザーを照射した以外の部分)の紙が少し湿ってくっついている状態でした。

 そろそろ水を足さないといけないかなと思いつつ、加工テスト中 且つ既に彫刻終了間近だったので、しばらく様子を伺っていると、突然「ポンッ!」という破裂音とともに瓶が口側と底側、左右真っ二つに割れ、彫刻不能状態(重量バランスが崩れ転がった)に。

 上記↑の彫刻直前にも複数回に渡り加工テストを行っていたので、徐々に瓶とともに瓶の中の空気も温まり膨張した加減で、ガラスの弱い部分から裂けてしまった(暴発した)ようです。
 
 「もし中身が入っていたら?」「ロータリーアタッチメントを使用していたら?」と思うと、大惨事にならずに済んで本当に良かったです(^_^;)ゞ


 このように、紙の水張り無し、または水分不足での高出力・低速度でのガラスの加工は見た目や質感が悪くなるだけでなく、危険を伴いますので、『紙の水張り』はとても重要な作業ということになります。

 と、ここで。
そもそも『紙の水張り』は何を目的にしているのか?ですが。

 紙の水張りの最大の目的は『ガラス表面の温度を下げること』であり、適度に冷やすことでガラスが熱を持ち過ぎ割れるのを防いでいます。

 またレーザー光が一旦水を通る事で熱の分散がされにくく、照射の一点一点がピンポイントで加工対象物に照射される為、彫刻痕のひび割れの目が細かく揃った状態になり、彫刻を行った部分の出来上がり色が全体的に白く不透明で、質感も良い状態になるようです。

 
 使用するガラスによりどのパラメーター値が高出力・低速度に当たるかはそれぞれ異なりますが、先に紹介した2mm厚の板も次に紹介した酒瓶も、高出力・低速度で2回連続彫刻を行っても彫刻痕の溝の深さは極浅い(少し引っ掛かりが感じられる程度)状態でした。
 
 なので『色を入れる為』とはいえパラメータ値や彫刻回数を増やして無理に深さを出そうとはせず、塗料が彫刻痕に乗る(食いつく)ようにデータを工夫した方が良さそうです。
 
 参考:4月26日掲載『ガラスへの彫刻 色入れについて1~文字 データ作成編~ 』







2017年7月3日月曜日

ガラス彫刻に水が必要なワケ ~その1~

 今回はガラス彫刻の紹介をする度に書いている、『紙(半紙、ペーパータオル)と水使用』の訳について、です。

 前々回の更新6月8日掲載『ガラスへの彫刻 ~ペーパーについて~ 』ではペーパータオルに代わる第3の紙、習字用半紙の考案をするなど、ガラス彫刻は薄い紙を水で貼って行う旨を度々書いてきましたが、 そんな中でたまにお問合せ頂いているのが、「ペーパータオルが何処で購入できるのか?」の他に、

「そもそもペーパータオルの水張りは必要なのか?」

という事でした。
 なので今回は紙の水張りを行っていない場合と行った場合との比較を基に、その必要性について書いてみたいと思います。


 まずは透明ガラス板に同一データの彫刻を同パラメータで 紙の水張り 無し、有り 両方で行った写真から。


 上段が紙の水張り無し、下段が紙の水張り有り。

※上・下段ともに、同じ段の中で『あ』の色味が少しすつ異なって見えるのは撮影時の光の反射の加減です。下記説明とは直接関係ありません。

 上段の方が白い色が薄い(灰色に見える)、透明感がある感じ、下段の方が上段に比べると白い色が濃い、透明感が無いように見えます。
 そして上段は手で触れるとザラザラ感が強く、彫刻痕を爪で引っ掻くとガラスの表面が細かく剥がれるような感覚(手に塵状のガラス片が付着する)がありますが、下段は少しザラザラ感はあるもののガラスの表面が剥がれるような感覚はありません。

 また、写真を彫刻すると上記のような現象がもっと顕著に表れます。


 上写真↑も同一画像(子どもの鼻から上部分の写真)データ、同一パラメータで透明ガラス板に、上が紙の水張り無し、下が紙の水張り有りで彫刻を行ったものです。

 下側(水張り有り)がレーザー照射した部分が全体的に白色が濃く、目や眉の形、髪の雰囲気などもわかる程度にメリハリがあるのに対し、上側(水張り無し)は全体的に下側と比べると白色が薄く、ぼんやりとメリハリのない感じ、指で触れた感触も彫刻痕はザラザラパリパリした状態です。

 これはどういう事か?というと。


 ↑この写真は上記で彫刻した内容『あ』の右上部分あたりをCCDカメラで撮影したもの。
 左が紙の水張り有り、右が紙の水張り無しです。

 右の写真(水張りなし)は彫刻痕のささくれ立った感じが強く、ひび割れの目が粗く不揃い、それに対し左の写真はひび割れの目が細かく形が揃っている事が確認できます。
 
 この彫刻痕のひび割れの大きさ(目の粗さ)やその形状により、触った時のザラザラ感の強さや
ガラスの表面が剥がれる感じが起こり、白っぽいか透明感があるかなど見た目の違いにも表れているのです。
 
 で、これが行き過ぎる(紙の水張り無しで高出力・低速度で彫刻を行う)と


 ガラス表面のひび割れてささくれ立った部分が浮き上がり大きく剥がれ落ち(『気』の横棒部分、『で』の上半分)、見た目が残念なだけでなく、色入れを行ってもきれいに仕上がらない状態に。

 ちなみにこの現象は、紙を水張りしていてもその紙が乾いてくると同じように起こりますので、
そうならないためにも早め早めに水を補給し、紙とガラスが十分に濡れている状態で彫刻を行うことが重要です


 次回 『ガラス彫刻に水が必要なワケ ~その2~』 では、紙の水張りを行わずに彫刻を行った場合の危険性について書きたいと思います。











2017年6月14日水曜日

ガラス瓶に彫刻&色入れする~父の日プレゼントにいかが?~

  今回はロータリーを使わずにガラス瓶に彫刻を施したいと思います。



 これまで数度に渡りロータリーアタッチメントを使用しての彫刻(2015年8月11日更新 『ロータリーアタッチメントを使用しガラス瓶に彫刻』など)を案内してきましたが、今回はロータリーを使用せず、手動で瓶の彫刻位置を変えながら彫刻をしてみたいと思います。


 まずはデータから。


  今回はCorel DRAWを使用しデータ作成を行いました。

 データの縦および横のサイズは実際に彫刻を行う瓶の彫刻可能な範囲(曲面のない平らな部分)のサイズに合わせます。 
 ちなみに、今回使用した瓶の彫刻可能範囲は縦 約130mm、横(瓶の外周) 約250mmでしたので、縦 約120mm、横 約120mmのサイズで収まるデータ作成を行っています。

 尚、今回は彫刻後色入れを予定していますので、文字5行の内、前3行『お父さんへ』『いつまでも』『元気で』はビットマップファイルに変換・網掛け処理してあります。
 
 以前、4月26日更新 『ガラスへの彫刻 色入れについて1~文字 データ作成編~』 でも紹介したように、レーザー加工機を用いての彫刻ではガラスに深い溝を刻む事は出来ませんので、太い線の大きな文字(フォント)を彫刻後、色入れを行いたい場合は、予め文字をビットマップファイルに変換し文字が『網掛け』されている状態のデータを作成して彫刻を行います。
 そうする事で彫刻痕がザラザラした手触りになり、溝に深さが無くても色入れがスムーズに行えるようになります。

 網掛け処理データの作成手順は↑上記同ページ並びに4月27日更新『ガラスへの彫刻 色入れについて2~文字 彫刻編~』にて。

 ※但し、大きくても線の細い文字(フォント)や小さな文字に網掛け処理を行うと文字が潰れてしまったり読み辛くなったりする場合がありますので、加減を見ながら処理を行って下さい。



 彫刻を行う部分は黒色の文字のみ。
オレンジ色の線と①~④までの赤数字は彫刻位置および順番を示すガイドです。

 今回はロータリーアタッチメントを使用しませんので、データを実際に彫刻する方向に向け(上図の場合、レーザー機を正面に見て瓶の口を左側に、横向きに瓶を置いて彫刻を行う状態になります)用意し、①~④まで4回に分けて出力します。

 
 彫刻に進みます。

■使用レーザー機:Speedy300 CO2 80w機
 レンズ:2.0inch

■用意するもの
・ガラス瓶
・半紙(ペーパータオルの代用 参照:6月8日更新『ガラスへの彫刻 ~ペーパーについて~ 』
・霧吹き(または旅行用詰替え容器、中身は水道水)
・タオル(またはスポンジなど柔らかいもの、彫刻時ガラス瓶の下に敷く用。汚れてもよいもの)

■加工オプション
加工モード:標準
解像度:500dpi
ハーフトーンン調整:モノクロ

■パラメータ
power 100 speed 8.0 PPI 1000

※高出力・低速度で加工を行います。
加工開始直前に半紙に充分水を含ませ、乾きかけたと感じた時は早めにレーザー機を一旦停止させ水の補給を行ってください
紙が乾き捲れ上がると失火に繋がる恐れがあります。

※加工中はレーザー機の傍から離れず、目を離さないよう注意してください。


彫刻イメージ動画です↓


※撮影用に彫刻機の上面のフタを開けています。
実際に加工を行う際は必ずフタを閉じて行って下さい。


彫刻完了↓


色を入れて出来上がり
水性塗料の金色を使用しています↓
 
 

 ロータリーアタッチメントを使用せずに彫刻する場合は、如何に『瓶に対して真っ直ぐに彫刻できるか』『思い通りの行間隔で文字を配置できるか』がポイント。
 
 複数の同じ形の瓶に彫刻を行う場合は専用に治具(型)を作成し固定して行うのが最適ですが、1本だけに行う場合は正直、面倒。
 そんな時は、瓶にガイドラインを引く、事前に半紙を水で貼り行間隔・配置を見ておく、などひと手間を加えてチャレンジしてみてください(^^♪



■ 6月16日 補足

 基本的な事ですが
レーザー機は彫刻対象物に対し水平にしか加工できません(Z軸が固定されている、稼動中自動では動かない)ので、曲面(R)がきつい部分は焦点が合わず彫刻痕(輪郭)がぼけ、溝も本来の深さよりも浅くなってしまいます。

 ロータリーアタッチメントを使用しない状態での彫刻では、一度の稼働で行える加工範囲が限られますので、円形のもの、曲面のあるものへの加工を行う場合は文字や図形のサイズに注意してください





2017年6月8日木曜日

ガラスへの彫刻 ~ペーパーについて~

 今回はガラスに彫刻する際使用する『ペーパー』について考えてみたいと思います。

 これまでこちらのブログでは、ガラスに彫刻する際、彫刻を行う部分にペーパータオルを水で貼り付け彫刻を行うよう紹介してきました。
 
参照:『ワイングラスに彫刻 』2016年4月21日掲載
SP300 flexでガラス板に彫刻 ~彫刻~ 』2015年4月30日掲載  他

また、それ以前は新聞紙を用いての加工の紹介もしていました。

参照:『ロータリーアタッチメント加工』 2015年3月6日掲載

 新聞紙は比較的紙質が硬く厚みがある他、水の含みも均一にし辛いため彫刻ムラが出来やすく、テスト加工を何度も繰り返し行うなどある程度の経験値やテクニックを必要としていました。
 一方、ペーパータオルは薄い割に丈夫な上、水の含みも均一にしやすいため比較的加工を行いやすく、現在もガラスへの彫刻の紹介をする度に案内しています。

しかし。

 そんな中でたまにお問合せ頂くのが、ブログ内で案内しているエンボス加工(凹凸のある柄など)が無いペーパータオルが「近隣のスーパーや薬局では販売していない」「何処で購入できるのか?」といった内容。

 という訳で、今回は新聞紙、ペーパータオルに代わる『第3の紙』の考案です。


 ペーパータオルに似ていてエンボス加工が無い無地のものというとティッシュが想像しやすいですが、ティッシュだと彫刻する事自体には問題ないですが、紙がとても薄く、水を含むと乾いている時以上に破れやすいため、一度しわが寄ると伸ばすのがとても困難です。
 なので、ペーパータオルよりも厚みがあるものの、水の含みが良く、しわが寄っても伸ばしやすい紙として半紙を用意してみました。

 用意した半紙は100円均一で購入した、ごく一般的な習字用半紙
ペーパータオルの時と同様、霧吹きに入れた水道水で水を吹付け、ガラスの加工したい部分に貼り付け使用します。


■ 結果(使用感)
・吸水性が高く、浸透も早い。

・水で濡らしてもシワが寄りにくい。

・ペーパータオルのように伸縮性が無いため、水に濡らすと破れやすい。
シワ伸ばし、位置調整をする時は事前に水を十分に含ませ、ガラスの上をゆっくりと指で滑らせるように動かす。

・ペーパータオルよりも厚みがあるので、厚みの分だけパラメーター調整を行う(少しpowerを上げる)必要がある。

 ペーパータオルの代用には問題なし。
しかし伸縮性がなく破れやすいなどの短所を踏まえると、どちらが最適かは好みによる、と思います(^_^)。







 

2017年4月27日木曜日

ガラスへの彫刻 色入れについて2~文字 彫刻編~

 前回(『ガラスへの彫刻 色入れについて1~文字 データ作成編~』)に続き、作成したデータを用いて彫刻に進みたいと思います。

 その前に。
前回、データ作成の中で案内した『50~80%ブラック』と『ライン:2または3』(手順③・⑤)※の比較をしてみたいと思います。


 ↑上写真、縦筋がブラック80~20%まで、横筋がライン数3~1まで。
ブラックの%が低くなるごとに彫刻痕の白っぽさが薄くなり、ライン数が減るごとに網点の目が粗くなっていることが解ります。
 なので、上写真の内では、80%ブラック・3ライン(左上)が一番白っぽい(網点の目が細かい)状態になります。

 ちなみに。
上写真の状態ものに金色の水性塗料で色入れを行うと下写真↓のように。


 写真に撮ると残念ながら光の加減で全体的にムラが目立つように見えますが、実物の見た目、色を塗った感触では、20%ブラックの3ライン・2ラインが塗料が乗り辛く、塗料が乾く前に拭くと必要な部分までが取れてしまう(ムラが出来やすい)状態に。
 その他は2度塗りすることで、金色の発色も良くムラも目立たず仕上がりましたが、塗料の乗りが良い、塗りやすいのは80~50%ブラックの3ラインおよび2ライン。
 但しブラックの%が低くなるにつれ文字の輪郭が曖昧になってきますので、文字の書体(フォント)や大きさ、用途に応じて調整が必要です。

※・・・corel DRAW X7を使用しての説明です。


 上記を踏まえ、前回(『ガラスへの彫刻 色入れについて1~文字 データ作成編~ 』4月26日掲載)作成したデータを使用して透明板ガラスに彫刻をしてみたいと思います。
 
 使用機種、パラメータその他は次の通り。

・レーザー機:speedy300 CO2 80w
・レンズ:2.0inch
・ノズル:太口

用意するもの:
・透明ガラス板
・キッチンペーパー(エンボス(凹凸)加工のないもの、2枚組のものは1枚に剥す)
・霧吹き(中身は水道水)

■加工オプション
加工モード:標準
解像度:500dpi
ハーフトーン調整:モノクロ

■パラメータ
power:100 Speed:10.0 PPI:1000

 加工の仕方は以前紹介した時(『SP300 flexでガラス板に彫刻 ~彫刻~』2015年4月30日掲載)などと同様、ガラス板にキッチンペーパーを霧吹きでたっぷりと水で濡らして貼付け、彫刻を行います。
 今回は特に、後ほど色入れをすることを考慮して、彫刻痕のザラザラ感を強くするためにpowerを上げ、Speedを下げて加工します。
 その分キッチンペーパーが乾く速度が速くなりますので、乾燥してきたと感じたらその都度早めにに水分を補充し、加工中は必ずレーザー機の傍を離れないように注意してください

 彫刻が終了したらレーザー機から取り出し、キッチンペーパーのクズを取り除いて乾いた新聞紙や布等で水気を拭き取ります。
 この時、彫刻痕がザラザラしているため、タオルやティッシュなど毛羽立ちやすい、破れやすいもので拭くと彫刻痕にゴミが残りやすくなるので注意が必要です。

 色入れイメージ↓

左/色入れ前  右/色入れ後
今回は金色の水性塗料を2度塗りしました。
彫刻痕(溝)に深さは有りませんが、ザラザラしている状態に仕上げているので、金色のキラキラと合わさって見た目もキレイに仕上がりました(^^♪










 

2017年4月26日水曜日

ガラスへの彫刻 色入れについて1~文字 データ作成編~

 今回はガラスに彫刻を施した文字への色入れについて考えてみたいと思います。

透明ガラスに彫刻  左/色入れ前  右/色入れ後(金色塗料)

 これまでにもガラスへの彫刻は幾つか紹介してきましたが、どれも色入れを行う目的では加工していなかったため、彫刻による溝(凹み)がほぼ無く、色入れには不向きな出来上がりでした。

≪関連記事≫

・ガラス板に彫刻(2015年3月5日)
・グラスへの写真彫刻(2015年3月6日掲載)
・SP300 flexでガラス板に彫刻 ~彫刻~(2015年4月30日)
・ロータリーアタッチメントを使用しガラス瓶に彫刻 (2015年8月11日掲載)
・ワイングラスに彫刻 (2016年4月21日掲載)

などなど。

 なので今回は、彫刻を施した溝(凹み)に色を入れる=凹みが深くなる、彫刻痕がザラザラとした手触りに仕上がる方法を考えてみたいと思います。
 但し、そもそもレーザー機ではガラスに深い溝を彫刻する事は出来ませんので、後者の『彫刻痕がザラザラとした手触りになる』に重点を置いて作業を進めます。


 まずはデータから。
今回はデータの作成方法とjobcontrolでの設定が重要なポイントとなります。

※以下、Corel DRAW X7を使用しての説明となります。

①新規作成でページを作る。

 上部ツールバーより『ファイル』→『新規作成』で新しいページをつくります。
・主カラーモード:RGB
・レンダリング解像度:600dpi


②文字を入力しサイズを決める。


 この段階で実際に加工で使用するフォント(書体)、文字サイズ、配列に調整しておきます。
④の作業以降はフォントの変更や文字配列の変更など、文字の編集が出来なくなります。
また、④の作業以降で文字のサイズ調整を行うと加工の出来上がりに影響しますので、注意が必要です。

③作成した文字の色を50~80%のブラックにします。

 『テキストのプロパティ』内、赤○『塗りつぶしの種類』を『標準塗りつぶし』にし、青○の▼→黄緑の○『カラーパレットを表示』を順にクリックし、黄の○『80%』を選択
(Corel DRAW画面内、右側のデフォルトパレットより『80%ブラック』を選択してもOK)

灰色の色味が薄いほど⑤の作業を行った時網の目が粗くなり、文字の輪郭が曖昧になります。
指で触れた時のザラザラ感や見た目もそれぞれ異なりますので、試彫刻を行い、用途と好みに合わせて調整してください。

④ビットマップ化します。


上部ツールバーより『ビットマップ』→『ビットマップに変換』

・解像度:600dpi(①で設定した『レンダリング解像度』と同じ値)
・カラー/カラーモード:グレースケール(8ビット)
・オプション/『アンチエイリリアス』『透明バックグラウンド』にチェック


⑤モノクロ1ビットに変換する。


上部ツールバーより『ビットマップ』→『モード』→『モノクロ(1ビット)』

・変換方法:ハーフトーン
・スクリーンの種類:丸い
・45度(網の角度)
・ライン:2または3(※)

表示を拡大すると細かい網点になっていることがわかります
ラインの数が少ないほど網の目が粗くなりますが、多過ぎると網の目が細かくなり過ぎ、色が入り辛くなります。
試彫刻を行い加減を見ながら調整してください。

⑥彫刻を行う文字を選択し『印刷』に進みます。

『一般』タブ内、プリンタがTrotec Engraver v×××(×××はバージョン名)になっている事を確認→『環境設定(詳細設定)』

『Trotec Engraver v××× のプロパティ』画面内

加工オプション/
・加工モード:標準
・解像度:500dpi
・カットライン:無し
・ハーフトーン調整:モノクロ


⑦上記設定完了後、『JC』『OK』のボタンをそれぞれ押してjobcontrolの画面へ。
 

(※)・・・ラインは①および④で設定した解像度により適切な値が異なります。
解像度を上げる場合はライン値を上げ、下げる場合はライン値を下げます。



 次の回で彫刻に進みます。











2017年4月4日火曜日

金属へのマーキングに!『Thermark Tape』

  以前からよくお問合せ頂いている『金属へのマーキング』について。

 CO2レーザーを使用してのマーキングには、液体タイプのレーザー焼付け用マーキング材『Metal Fix』をお奨めしてきましたが、
  
2017年4月より テープタイプ『Thermark Tape』 販売開始しました\(^^)/♪♪♪

 なので今回は、液体タイプとテープタイプの比較をしてみたいと思います。


 まずはそれぞれの見た目から。
写真 左/Thermark Tape  右/Metal Fix
写真 左、『Thermark Tape』は両面テープのような見た目の弱粘着テープ。
使用する分だけハサミでカットしマーキングを施したい部分に直接貼り、指で押さえ馴染ませた後マーキングに進みます。
 弱粘着なので、馴染ませる前であれば貼り直しが可能です。

 対する写真 右、『Metal Fix』は瓶入り、速乾性。
マーキングを施したい部分にハケや筆で直接塗り、乾燥させた後マーキングに進みます。
粘度のある液体なのでピンポイントでの使用が可能です。


■ 比較表 ■ (使用機:speedy300 80w機。他機で行った場合はそれぞれ数値が異なります)

●Thermark Tape(サーマークテープ) ●Metal Fix(メタルフィックス)
≪ステンレス板 0.5mm厚≫
power:100 Speed:20 PPI:1000 DPI:1000
メタルフィックスよりも焼付け色が濃く仕上
がる


power:100 Speed:30 PPI:1000 DPI:1000
サーマークテープよりも焼付色が薄く色ムラが
出来やすいが、speedを早く出来る
(加工時間が短くて済む)

≪アルミ(アルマイト加工有)板 0.5mm厚≫

power:100 Speed:20 PPI:1000 DPI:1000
板色:上 銀色  下 赤色
銀色板に焼付色は映えて見えるが、赤色ほか
色付きの板では白っぽく見え、キレイとは言い
難い

power:100 Speed:30 PPI:1000 DPI:1000
塗付しても定着しない(はじく)
分厚く塗れば乗るが、焼付けしても拭くと
色が取れる


≪クロムメッキ塗装 工具≫






(写真 上:僅かに蒲鉾型  下:径10mm円柱)
power:100 speed:5.0 PPI:1000 DPI:1000
円柱(棒状)のものに貼るには、よく馴染ませる
(押さえる)必要がある
テープにあまり柔軟性が無いため、加工中端
から剥がれてくる場合がある



power:100 speed:10 PPI:1000 DPI:1000
色ムラが出来る為、サーマークテープよりも
薄い出来上がり色に見える
サーマークテープよりも早く加工が出来上
がる
(speedを早く出来る)


≪真鍮 0.3mm厚≫
power:100 speed:3.0 PPI:1000 DPI:1000
板が薄いとレーザーを照射した部分とその
周辺が熱で湾曲する


塗付した部分が変色する
光の当たり具合により変色がはっきりと見て
取れる
加工不能(レーザー照射しても定着しない)

≪銅板 0.3mm厚≫
power:100 speed:0.5 PPI:1000 DPI:1000
レーザーを照射した部分やその周辺が熱で
湾曲する
取り敢えず加工可能だがキレイとは言い
難い
塗付した部分が変色する
光の当たり具合により変色がはっきりと見て
取れる
加工不能(レーザー照射しても定着しない)



■広範囲のマーキング
●Thermark Tape(サーマークテープ)
写真 左:テープ継ぎ目なし  右:テープ縦横貼り合わせ
≪ステンレス板 1mm厚≫
power:100 speed:20 PPI:1000 DPI:1000

色ムラなく仕上がる
板が薄いと、レーザーを照射した部分やその周辺が熱で少し湾曲する
テープを繋いで貼り合わせると、光の当たり具合で僅かに継ぎ目が伺える

●Metal Fix(メタルフィックス)
広範囲のベタ塗りはハケや筆では均一に塗る事が困難
スプレーで吹付けると出来なくはないが、使用量が大幅に増大するため避けた方が無難


■使用感(双方比較)
●Thermark Tape(サーマークテープ) ●Metal Fix(メタルフィックス)
良い点
・テープ式のため、加工を施したい部分の大き
さに切り取り貼るだけで良いので簡単
・加工準備に掛る時間を比較的短縮できる
・面積の広い部分でも色ムラなく仕上がる
・加工前に手が汚れない
・真鍮やアルミ(アルマイト加工有)にも使
用できるので用途が広がる

難 点
・加工後、黒いススが加工部分全体に色濃く
付着するので、拭取る際、手やその他周辺を
汚さないよう注意が必要
・高出力且つ低速度の時などはテープがレ
ーザー照射部分周辺にもこびり付き剥がれ
にくくなる
良い点
・粘度のある液体タイプなので局所的に
使用でき、経済的
・速乾性なので待ち時間が少なく加工に進む
ことが出来る
・比較的、短時間で加工できる
・加工終了後の不要部分拭き取りが比較的
簡単

難 点
・塗りムラが出来、焼付色にも影響が出る
・塗装中手を汚す時がある
・金属の種類を選び、使える用途が少ない





■ まとめ ■
 使用目的、頻度によりどちらを使用するかを決めた方が良さそう。
使用目的(金属)が多岐に渡る場合はサーマークテープの方が良いと思う。
 但し、サーマークテープは粘着テープなので、『粘着力が弱くなる』『剥がれにくくなる』など経年劣化が予想される。『滅多に使用しない』「塗付する面積が少ない』などの場合はメタルフィックスの方がロスが少なく低コストで加工可能か。

■製品仕様■
●Thermark Tape:2種類
・幅 約25mm×15m巻 
・幅 約50mm×15m巻

●Metal Fix:1種類
・200g入り

■ 価 格 ■
お問合せください。

問合せ先:
info@trotec.co.jp
トロテック・レーザー・ジャパン株式会社 東京本社

※関西営業所にお問合せ頂きましてもお受けできません。
予めご了承ください。