ガラスへの彫刻 色入れについて1~文字 データ作成編~

 今回はガラスに彫刻を施した文字への色入れについて考えてみたいと思います。

透明ガラスに彫刻  左/色入れ前  右/色入れ後(金色塗料)

 これまでにもガラスへの彫刻は幾つか紹介してきましたが、どれも色入れを行う目的では加工していなかったため、彫刻による溝(凹み)がほぼ無く、色入れには不向きな出来上がりでした。

≪関連記事≫

・ガラス板に彫刻(2015年3月5日)
・グラスへの写真彫刻(2015年3月6日掲載)
・SP300 flexでガラス板に彫刻 ~彫刻~(2015年4月30日)
・ロータリーアタッチメントを使用しガラス瓶に彫刻 (2015年8月11日掲載)
・ワイングラスに彫刻 (2016年4月21日掲載)

などなど。

 なので今回は、彫刻を施した溝(凹み)に色を入れる=凹みが深くなる、彫刻痕がザラザラとした手触りに仕上がる方法を考えてみたいと思います。
 但し、そもそもレーザー機ではガラスに深い溝を彫刻する事は出来ませんので、後者の『彫刻痕がザラザラとした手触りになる』に重点を置いて作業を進めます。


 まずはデータから。
今回はデータの作成方法とjobcontrolでの設定が重要なポイントとなります。

※以下、Corel DRAW X7を使用しての説明となります。

①新規作成でページを作る。

 上部ツールバーより『ファイル』→『新規作成』で新しいページをつくります。
・主カラーモード:RGB
・レンダリング解像度:600dpi


②文字を入力しサイズを決める。


 この段階で実際に加工で使用するフォント(書体)、文字サイズ、配列に調整しておきます。
④の作業以降はフォントの変更や文字配列の変更など、文字の編集が出来なくなります。
また、④の作業以降で文字のサイズ調整を行うと加工の出来上がりに影響しますので、注意が必要です。

③作成した文字の色を50~80%のブラックにします。

 『テキストのプロパティ』内、赤○『塗りつぶしの種類』を『標準塗りつぶし』にし、青○の▼→黄緑の○『カラーパレットを表示』を順にクリックし、黄の○『80%』を選択
(Corel DRAW画面内、右側のデフォルトパレットより『80%ブラック』を選択してもOK)

灰色の色味が薄いほど⑤の作業を行った時網の目が粗くなり、文字の輪郭が曖昧になります。
指で触れた時のザラザラ感や見た目もそれぞれ異なりますので、試彫刻を行い、用途と好みに合わせて調整してください。

④ビットマップ化します。


上部ツールバーより『ビットマップ』→『ビットマップに変換』

・解像度:600dpi(①で設定した『レンダリング解像度』と同じ値)
・カラー/カラーモード:グレースケール(8ビット)
・オプション/『アンチエイリリアス』『透明バックグラウンド』にチェック


⑤モノクロ1ビットに変換する。


上部ツールバーより『ビットマップ』→『モード』→『モノクロ(1ビット)』

・変換方法:ハーフトーン
・スクリーンの種類:丸い
・45度(網の角度)
・ライン:2または3(※)

表示を拡大すると細かい網点になっていることがわかります
ラインの数が少ないほど網の目が粗くなりますが、多過ぎると網の目が細かくなり過ぎ、色が入り辛くなります。
試彫刻を行い加減を見ながら調整してください。

⑥彫刻を行う文字を選択し『印刷』に進みます。

『一般』タブ内、プリンタがTrotec Engraver v×××(×××はバージョン名)になっている事を確認→『環境設定(詳細設定)』

『Trotec Engraver v××× のプロパティ』画面内

加工オプション/
・加工モード:標準
・解像度:500dpi
・カットライン:無し
・ハーフトーン調整:モノクロ


⑦上記設定完了後、『JC』『OK』のボタンをそれぞれ押してjobcontrolの画面へ。
 

(※)・・・ラインは①および④で設定した解像度により適切な値が異なります。
解像度を上げる場合はライン値を上げ、下げる場合はライン値を下げます。



 次の回で彫刻に進みます。











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