ガラスへの彫刻 色入れについて2~文字 彫刻編~

 前回(『ガラスへの彫刻 色入れについて1~文字 データ作成編~』)に続き、作成したデータを用いて彫刻に進みたいと思います。

 その前に。
前回、データ作成の中で案内した『50~80%ブラック』と『ライン:2または3』(手順③・⑤)※の比較をしてみたいと思います。


 ↑上写真、縦筋がブラック80~20%まで、横筋がライン数3~1まで。
ブラックの%が低くなるごとに彫刻痕の白っぽさが薄くなり、ライン数が減るごとに網点の目が粗くなっていることが解ります。
 なので、上写真の内では、80%ブラック・3ライン(左上)が一番白っぽい(網点の目が細かい)状態になります。

 ちなみに。
上写真の状態ものに金色の水性塗料で色入れを行うと下写真↓のように。


 写真に撮ると残念ながら光の加減で全体的にムラが目立つように見えますが、実物の見た目、色を塗った感触では、20%ブラックの3ライン・2ラインが塗料が乗り辛く、塗料が乾く前に拭くと必要な部分までが取れてしまう(ムラが出来やすい)状態に。
 その他は2度塗りすることで、金色の発色も良くムラも目立たず仕上がりましたが、塗料の乗りが良い、塗りやすいのは80~50%ブラックの3ラインおよび2ライン。
 但しブラックの%が低くなるにつれ文字の輪郭が曖昧になってきますので、文字の書体(フォント)や大きさ、用途に応じて調整が必要です。

※・・・corel DRAW X7を使用しての説明です。


 上記を踏まえ、前回(『ガラスへの彫刻 色入れについて1~文字 データ作成編~ 』4月26日掲載)作成したデータを使用して透明板ガラスに彫刻をしてみたいと思います。
 
 使用機種、パラメータその他は次の通り。

・レーザー機:speedy300 CO2 80w
・レンズ:2.0inch
・ノズル:太口

用意するもの:
・透明ガラス板
・キッチンペーパー(エンボス(凹凸)加工のないもの、2枚組のものは1枚に剥す)
・霧吹き(中身は水道水)

■加工オプション
加工モード:標準
解像度:500dpi
ハーフトーン調整:モノクロ

■パラメータ
power:100 Speed:10.0 PPI:1000

 加工の仕方は以前紹介した時(『SP300 flexでガラス板に彫刻 ~彫刻~』2015年4月30日掲載)などと同様、ガラス板にキッチンペーパーを霧吹きでたっぷりと水で濡らして貼付け、彫刻を行います。
 今回は特に、後ほど色入れをすることを考慮して、彫刻痕のザラザラ感を強くするためにpowerを上げ、Speedを下げて加工します。
 その分キッチンペーパーが乾く速度が速くなりますので、乾燥してきたと感じたらその都度早めにに水分を補充し、加工中は必ずレーザー機の傍を離れないように注意してください

 彫刻が終了したらレーザー機から取り出し、キッチンペーパーのクズを取り除いて乾いた新聞紙や布等で水気を拭き取ります。
 この時、彫刻痕がザラザラしているため、タオルやティッシュなど毛羽立ちやすい、破れやすいもので拭くと彫刻痕にゴミが残りやすくなるので注意が必要です。

 色入れイメージ↓

左/色入れ前  右/色入れ後
今回は金色の水性塗料を2度塗りしました。
彫刻痕(溝)に深さは有りませんが、ザラザラしている状態に仕上げているので、金色のキラキラと合わさって見た目もキレイに仕上がりました(^^♪










 

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