fiberを塗料や素材に照射してみる

 今回は年明け第一弾として、少し実験をしてみたいと思います。


 いろいろな黒色塗料や素材を用意し、fiberレーザーを照射するとどうなるか?を見てみます。

★『fiber(ファイバー)レーザー』については下記をご参考ください。↓

co2(炭酸ガス)とfiber(紫外線)とflexx (2015年9月14日掲載)

ファイバーレーザーのデモ加工 (2015年4月17日掲載)


用意したものは

塗 料
『油性マーカー』『水性顔料インクペン』『筆ペン(顔料インク)A※』『筆ペン(顔料インク)B※』『墨汁A☆』『墨汁B☆』『アルコール系インクペン』『アクリル絵の具A★』『アクリル絵の具B★』『水性エナメル』『油性ペンキ』『水彩絵の具』『木炭』『クレパス』 計14種類

※、☆、★ ABそれぞれ他社製品

素 材
『本革1』『本革2』『フェルト』計3種類の素材(全て市販品)。

 それぞれにfiberレーザーを照射し、マーキングの出来具合や変色の有無など様子を見ます。

【 使用機器その他 】
・レーザー機:speedy300 flexx (fiber 30w)
・レンズ:3.2inch (fiber専用レンズ)
・エアアシスト:ON
・DPI:500
・PPI/Hz:50000

・キャンバス
・下塗り材(透明タイプ)
※塗料を定着させるため透明下塗り材をキャンバス全体に塗り十分乾燥させた後、各塗料を塗ります。



 まずは塗料から。
●良好


 左上から下方向に『墨汁B』『筆ペンB』『アクリル絵の具A』『水性エナメル』『水彩絵の具』

 パラメーター調整を様々試した結果、出力が強すぎることでの焦げやくすみ、低すぎることでの彫り残しなど無くマーキングを行える値が確認できました。
 『trotec』各文字の輪郭もシャープに仕上がっています。

 それぞれ塗膜は極薄いため、fiber照射による変色というよりも照射した部分のみ塗料が剥がれた状態で、キャンバスの地色(薄いクリーム色)が出ています。

 その中で左上『墨汁B』はキャンパスの地色よりも少し黄色味が強い色になっている事から、墨汁の中に含まれている成分に反応し変色していることがわかります。


●まずまず

 左上から下方向に『水性顔料ペン』『墨汁A』『アクリル絵の具B』『油性ペンキ』『木炭』『クレパス』

 パラメーター調整を何度も行ってみましたが、微妙な変動で出来上がりが様々異なるため適した値が見当たりませんでした。 
 しかし、着色のムラを極力無くす、焦点を正確に合わせるなど一定の条件を守れば安定したマーキングが出来るかもしれません。

 中でも写真内中央下『油性ペンキ』は、濃い黄色(茶色)に変色していますが他の5点に比べパラメーター設定の変動による出来上がりの差は少なく、『trotec』各文字の輪郭もシャープに仕上がっていますので、『まずまず』の中でもその他の5点よりも『良好』と言えるかもしれません。


●不向き

 左上から下方向に『油性マーカー』『筆ペンA』『アルコール系インクペン』

 出力、高さなど様々調整をしてみましたがどれも上手く行かず、断念。
3点それぞれ、マーキング出来かけて見える白っぽい色や茶色い色は塗料やキャンバスがコゲたり焼けたりした痕です。


 次に素材です。 


 左上から下方向に『本革A』『フェルト』『本革B表』『本革Bウラ』

 『本革A』『本革B表』 CO2レーザーを照射した時のような凹はありませんが、同じように茶色い焦げ痕がつきました。

 『本革Bウラ』 茶色い焦げ痕とともに少し凹があります。
しかし茶色い色がある分、型押しとは異なる雰囲気。

 『フェルト』 変色は全くせず、溶けました。出力を下げると溶けませんが、痕も見えません。 



◆まとめ

●塗料
 筆ペンや墨汁、アクリル絵の具など、同じ種類のものでも製造会社が異なればその内容物(成分)の配合も異なるようで、適正なパラメーター値や出来具上がり具合が異なりました。
 また、塗料の塗りムラなども影響があるようですので、テストを繰り返し行う事が必要なようです。

●素材
 フェルトは不向き。
本革は茶色い焦げ色が必ず付くため、用途を選びそうです。






 今回はここまで。
次回は今回の結果を踏まえて何か形のあるものをつくってみたいと思います(^^♪











コメント